ToF(Time-of-Flight)用途に必要な高速立上がり/立下がり速度性能を備えるオスラムのマルチジャンクションVCSELは、産業機器の性能に革命をもたらします。
- 今年のPhotonics Westでは、オスラムオプトセミコンダクターズがアパーチャ数(発光開口部)550のPowerBoost垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)をはじめ、その他の先端技術を披露します。
- VCSELはアパーチャを通してレーザー光射出をします;アパーチャを組合わせアレイにすることで、効率を落とす事なく高出力を達成します。
- 550アパーチャが(ToF)Time-of-Flightアプリケーションに最適な光出力を出射し、そのチップサイズは極限まで小型化されています。
04.03.2021 | Trade Press
オスラムオプトセミコンダクターズは、このPowerBoostマルチジャンクションVCSEL製品で、急速に拡大するVCSEL市場でのリーディングポジションをさらに強化します。VCSEL技術は、傑出したビーム性能とシンプル製品構造とコンパクト性で、3Dセンシング市場に大きな影響を与えています。このPowerBoost VCSELは電力変換効率を最大60%まで高め、かつ光出力も向上しています。また、この製品の速い立上がり/立下り時間は、ToF用途で重要なショートパルス駆動を可能にし、アイセーフティ機能持ちながらレーザー光をより遠距離への到達させることができます。VCSELは3Dカメラやモバイルデバイスの顔認証等の多くの民生用アプリケーション、また短距離LiDAR、マシンビジョン及びロボティクス等の産業用アプリケーションに活用されています。この550アパーチャ PowerBoost VCSELは、優れたフォトニクス革新技術を表彰するPrism Award(プリズムアワード)の視覚技術部門のファイナリストに選ばれました。
オスラムオプトセミコンダクターズは一年前に、2層以上のp-nジャンクションを相互に積層しトンネル接合で分離した、マルチジャンクション技術開発の重要な進展を発表しました。これは、シングルジャンクションVCSELに比べ、より優れた効率と速度を実現する技術です。そして今回、同様の技術によりPowerBoost VCSELポートフォリオを強化しました。これにはデユアルジャンクション(V00155)及びトリプルジャンクション(V00156)エピタキシーチップ製品が含まれます。デユアルジャンクションで2 W/A 、トリプルジャンクションで3 W/Aと非常に高いスロープ効率を持ち、シングルジャンクションVCSELに比べて、同じ光出力に到達するのに必要なパルス順電流が大幅に低減されます。シングルアパーチャ940 nm VCSELで60%、パワーアレイで53%の電力変換効率となり、熱負荷も低減されます。
「このマルチジャンクションPowerBoost VCSELの比類のない効率は、駆動電流の低減とドライバーICの変調速度の改善を求めるカスタマーにとって大きな利点です」とオスラム社傘下のVixarの事業開発ディレクター、Dominik Schultenは述べています。「当製品はその高い電力密度により、チップとパッケージサイズの大幅な小型化を可能にし、カスタマーの設計やシステムアーキテクチャの簡素化が容易になります」。
このPowerBoost VCSELファミリーは、本年中に予定されている、投光照明(Flood Illuminator)用の新たなパッケージ製品発表で、さらにポートフォリオが拡大されます。
オスラムは3月6~11日のSPIE Photonics Westオンライン展示会で、この550 アパーチャPowerBoost VCSELに加えて、産業ToFアプリケーション設計用の新しいドライバーリファレンスモジュールも展示します。このモジュールはVCSELアレイを搭載し、ToFアプリケーションの設計期間を短縮、テストと評価を簡易化し、VCSELの駆動原理、測定、モジュール日付をカスタマーに提供します。